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201702.13

新人研修のスペシャリストに聞いた、新人とのコミュニケーションで大事なこと

もうすぐ新入社員がやってくる時期になりました。

企業側では、入社後の研修の準備を始めている頃ですね。

この時期になるといつも悩んでますよね、若い子とのコミュニケーション。ジェネレーションギャップを感じることもちらほら……。

私たちから新人に対してのコミュニケーションを工夫することも大事なんですが、一方で新人にも学生時代のマインドを社会人のマインドに変えてもらう必要もあります。そこで重要視されているのが「企業研修」。

今回はチームワークを最大化するための支援と組織の人材育成開発を支援しているリ・カレント株式会社様に、営業会社に入社する新入社員への教育・指導に関してお話を伺いました。


(右側から順に)

石橋 真:リ・カレント株式会社 代表取締役
年間約120日、2000名の受講者に、リーダーシップ・フォロワーシップ・キャリア開発の講演、セミナー・研修を実施。
「実体験と理論が融合していて説得力がある」「経営者としての実体験が生々しくてインパクトがある」と高い評価を受けている。

楠 麻衣香:リ・カレント株式会社 若手人材開発事業部マネージャー
「いかなる職場環境でも成果を出せる新人力」を提唱、自らも講師として登壇しながら、一人一人の新入社員にじっくりと耳を傾け関わることで、成長力ある社会人となるためのスタート支援をおこなう。

営業職に求められるのは、「メンタルタフネス」


新人の営業研修の様子1

―企業からはどのような要望が多いのでしょうか。

―石橋
一番の要望は「メンタルタフネス(心の強さ)」の強化です。目標達成までの行動を継続できるかですね。
―楠
新入社員が入社後すぐのタイミングでメンタルタフネスを高めるには、「達成体験」を積むという方法があります。達成体験とは、相手から与えられた目標に対して試行錯誤し、何度も何度もやり取りをする中で、相手の期待を超えるところまでアウトプットをして最後までやりきって達成する・・・・・・という一連の体験です。しんどいけど踏ん張って乗り越えることで、壁を乗り越える達成感、やればできるという自信が身につき、職場に配属されてからも「失敗が怖くとも前に進もう」という推進力を引き出す効果があります。

新入社員の場合、過去に「達成体験」がある人もいますが、そうじゃない人、人が好きだという感覚で営業職を選んでくる人が多いとか。

どうしても若い人は、価値観が違う人たちに揉まれるとか、複数の人数で一つの目標に対してとにかく歯を食いしばってやりきるという体験が少なくなりがちなんだそうです。

―石橋
企業で働いている人の根本的な働く動機で代表的なものが、「達成動機」「親和動機」「パワー動機」です。営業職で一番重要なのは一つ目の「達成動機」です。絶対達成、諦めない、やりきるということですよね。ここが低いと途中で諦めてしまう、おれてしまう、人のせいにしてしまうんです。

それぞれ簡単に説明すると以下のような感じ。

  • 達成動機 : 自分できめた目標を達成したい
  • 親和動機 : 一緒に仕事をする人たちと仲良くしたい
  • パワー動機 : 自分の影響をいろいろ与えたい

確かにこうやって整理するとわかりやすいですね。

研修の中で一番大事なのは、「達成動機」を強化する体験をさせることなんだとか。そのため、研修では営業の模擬シミュレーションを多く取り入れて、お客様の要望や期待をどうやったら超えられるか、どれだけ自分やチームが困難を乗り越えて達成できるか、ということを徹底的に教え込むそうです。

“コミュニケーション”にもいろいろな教育がある。


新人の営業研修の様子2

―営業に必要な要素ってどんなものがあるんでしょうか

―楠
行動力や思考力など必要とされる力は多くありますが、その中でも新入社員が最も鍛えるべき力は「相手の相手の立場にたって考える力」です。例えば営業場面でも相手の言葉の文脈を読んだり、相手の感情をくみ取る、といった対面でのコミュニケーションが弱い傾向にあるんです。ITやモバイルが発達して、対面でのコミュニケーション環境が少ない中で育ってきた彼らですから、そもそもそうした経験が相対的に減っているんですね。

確かに、私もちゃんとそういうことを意識してできるようになったのは、社会人になったあとだったかもしれない・・・・・・なんて思い返しながら聞いていました。

もちろん一人ひとりに特徴はあって、自分から一方通行に話をすることが得意な人、相手の気持ちに立ちすぎて自分の話ができない人、といったようにどちらかに寄っていることも少なくないんだそう。

コミュニケーションでは両方必要なので、対面でやりとりをする中でコミュニケーション力の指導もされているんだとか。

―石橋
最近の新入社員に見られる特徴の一つとして、対人面プレッシャーに弱いということがあります。自分の言動を他人から批判・否定されることへの恐怖感が強いので、自分から発信するということを尻込みしてしまうんです。それも意識してのことではないんですね。彼らには悪気はないんです。

悪気はないので、意識させてあげることが大事なんだそうです。

たとえば「その表情って、わたしからみるとまったく興味がないようにみえるよ」「あなたの今いる状態はこう映ってるよ」と事実を伝えることで、改善するとのことでした。

「今の新人は」とひとくくりする前に、マネジメントの方でカバーできているか?その意識があるかないかも新人をうまく育てる上で非常に重要になると感じました。

「新人」をひとくくりにするとコミュニケーションがうまくいかない


管理職研修の様子

―現場責任者や先輩社員にアドバイスをいただけるとしたら、どういうメッセージがありますか。

―石橋
まずはレッテル貼りをしないことだと思います。
最近の子は弱いとか、悪いレッテル張りをしないことです。全員が全員そうではないですし、最初からそういったレッテル張りをすると、人間不思議なことに、悪いレッテルにあった情報しかとらなくなってしまうんです。

おっしゃる通りですね・・・・・・。悪い情報が目につくようになると、双方の関係はよくならないですもんね。結果、その悪いレッテルをどんどん強化してしまうことになり、余計な関わりがなくなってします。
負のスパイラルに陥ってしまいますもんね・・・・・・。

―楠
やっぱり最初は何をするのにも不安。
だからこそ、先輩たちの過去の成功体験や失敗体験を話してあげると、とてもいい影響があると思います。

そこに加えて価値観や目的思考の共有も、最初はまめにおこなったほうがよいそうです。

上司や先輩社員が何を大事にこの仕事をしているのかとか、お客様に伝える意義とか、そういうものにものすごく共感する傾向にある。

何のためにこの仕事をお願いしたかを伝える、考えさせることが大事なんだと思います。

新人とうまくコミュニケーションがとれないと、「今の若い子」という風にひとくくりにしてしまいがちですが、実はそんなことないはずなんですよね。

自分たちが新人だったときを考えても、先輩たちとうまくコミュニケーションがとれていたかと考えると、最初からはうまくはいってないはいなかったですし。

なんだか、これからの新人へのコミュニケーションを再考するいい機会となりました。

石橋さん、楠さん、お忙しいなかありがとうございました。

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