201809.11

ロボットによる業務自動化「RPA」とは?代表的な導入事例も紹介

政府が「働き方改革」を打ち出して以降、メディアで特によく目にするようになったRPA、みなさんご存じでしょうか。

RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略。パソコン上での定型的な作業を、ソフトウェアのロボットによって自動化することを指し、「デジタルレイバー(Digital Labor)」「仮想知的労働者」などと呼ばれることもあります。

2017年にガートナー ジャパン株式会社が行った調査によると、国内では14.1%の企業がRPAを導入済み6.3%が導入中という結果が出ています。約5分の1の企業が、実際にRPAの導入に踏み切っているという計算ですね。

さらに、導入を検討中の企業も19.1%。ビジネスの現場で確かに注目を集めていると言えます。本記事では、RPAの特徴や導入のメリットについて、導入事例を交えながら見ていきましょう。

RPAにできる業務は多岐にわたる


2025年までには、全世界で1億人以上の知的労働者、もしくは3分の1の仕事がRPAに置き換わるとも言われています。

具体的にRPAができる作業としては、マウスやキーボードなどを使ったディスプレイ上の操作を自動化や、ソフトウェアやブラウザ、クラウドといったさまざまなアプリケーションを横断してのデータ連携、処理など。

つまり、私たちが日常業務でパソコンなどを使用しておこなっていることをそのまま、ソフトウェアロボットに代行させられるのです。実際に活用できる業務としては、

  • 帳簿の入力や伝票の作成、経費のチェックといった経理関係の業務
  • 顧客データ管理、SFA(営業支援システム)へのデータ入力といった営業関係業務
  • 社員データ入力、管理といった人事関係業務

などがあり、範囲は多岐にわたります。これまで人間が手でおこなってきた単純作業をロボットに代行してもらえると思うと、とても頼もしいですよね。

RPAとシステムの違いは?

「パソコン上での作業を自動化する」というと、従来のITシステムのイメージから「プログラミングなどの専門的な技術が必要なのでは?」と思う方も多いかもしれません。

確かにITシステムは、システムそのものの稼働やほかのソフトウェアとの連携など、すべてにおいてなんらかのプログラミングが必要です。

一方、RPAではプログラミングは不要(一部必要なものもあり)。直感的な操作でルールを設定し、ロボットを運用できます。業務に変更があってルールを変えないといけないときにも特別なプログラミングは必要ありません。これだけでも、一気にRPA導入へのハードルが下がった気がしますよね。

RPAの導入メリット


RPAを導入することによるメリットには、おもに以下の4つが挙げられます。

  • 単純作業を任せることで、より高度な業務に集中できる
    単純作業をRPAがおこなうことで、人間がより高度な業務に集中できます。企画など、創造性の必要な業務に人間が集中することで、商品やサービスの質の向上も期待できるかもしれません。ロボットと人間が分業することによって得られるメリットは大きいですよね。
  • コストの削減
    RPAでおこなえる仕事の量は、場合によっては人間数十人分にも相当すると言われており、人件費の削減が可能です。また、人材の教育・研修にかかる費用や福利厚生にかかるコストの削減も可能。人事担当者の負担軽減も期待できそうです。
  • 生産性の向上
    RPAは24時間365日働き続けられるため、生産性向上を実現可能です。特に今後、少子高齢化が進むなかで、優秀な人材の獲得が難しくなることが予想されていますから、「ミスをせず休みなく働ける」ロボットが業務を担ってくれるのは助かりそうです。
  • ヒューマンエラーの回避
    RPAはミスをしないため、従業員の過失あるいは故意による情報漏洩や、コンプライアンス違反などを防げます。ヒューマンエラーは、注意していてもふいに起こってしまうもの。信頼できるロボットに任せられれば安心できるかもしれません。

RPAの代表的な導入事例3選


冒頭でも述べた「働き方改革」への注目が集まるなか、近年、国内の主要企業において、RPAを導入するケースが多数見られるようになってきています。以下で、3社の導入事例をご紹介しましょう。

  • 三菱UFJ銀行
    三菱UFJ銀行は、2014年にRPAのパイロットプロジェクトを実施したそう。最初に利用したのは融資事務センターにおける住宅ローン団体信用保険申告書の点検業務です。保険会社に提出する書類は、従来、担当者が紙で一枚ずつ内容を確認し、住宅ローン明細と突合作業をおこなっていました。そこで、申込書をスキャンして電子化し、OCR(光学式文字読み取り装置)で抜き出したデータをロボットが点検する形に。ロボットが点検結果をExcelに落として、不備があるもののみをオペレーターがチェックするよう変更しました。その結果、作業時間を2500時間短縮することに成功。2015年に本格展開し、2017年8月の段階では約20業務で累計2万時間の作業を削減しているといいます。従業員1人が8時間働くと考えると、2,500日分の業務効率化が達成された計算です。驚きですよね。
  • KDDI株式会社
    KDDI株式会社は2015年にRPAを導入。対象となった業務は、法人ビリングセンターにおける入金情報の登録業務です。具体的には、毎日、銀行の営業時間が終了したあとにシステムへアクセスし、約9,000件の入金データを抽出して自社システムに登録する業務で、従来はBPOにより行われていました。基本は10名体制となっていましたが、入金が増える月末の繁忙期は10名以上増員し、夜間にわたって1人2.5時間の入力作業をおこなっていたといいます。これをRPAによって完全自動化したことにより、ミス率ゼロ、作業時間92%の削減が達成されました。その後、請求書の再発行業務、インターネット情報を収集する作業など、活用の幅を広げているといいます。作業時間だけでなく、人員増にかかっていた経費も削減されたのではないでしょうか。
  • サッポロビール株式会社
    サッポロビール株式会社は、2016年にRPAを導入し、現在は小売企業webサイトからPOSデータをダウンロードする業務で活用されています。従来、小売企業1社につき1週間分のPOSデータをダウンロードするためには、数分~1時間がかかっており、同社では数百社のサイトからデータをダウンロードする必要がありました。そこでグループ会社にアウトソーシングしていたこの作業を、RPAで自動ダウンロード可能に。労働時間を年間約5,700時間削減したといいます。これは金額に換算すると、約1,100万円の削減になるのだそう。経営にも大きく関わってきそうな数字ですよね。

おわりに

ホワイトカラーのバックオフィス業務を大幅に自動化してくれるRPA。これからの時代、ロボットは私たちの大切な「仕事仲間」になりそうですよね。活用可能な業種や業務はさまざまです。皆さんの会社でも、導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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