2018
04.02

塾業界に新市場を拓く、岡山発のプログラミングスクール「iTeen」。その魅力的なカリキュラム、そして目指す子どもの未来とは?

世界の社窓から

最近、親が子どもに通わせたい習いごととして注目されているプログラミング。
2020年度からは小学校で必修化されるとあり、プログラミングへのニーズは高まりそうです。

そのプログラミング教育をいち早くカリキュラム化し、音楽や水泳に並ぶ習いごととして小中高生向けに提供しているのが岡山発のプログラミングスクール「iTeen」。
ビジョンも協賛した「ビジネスプランコンテストおかやま2017」では、iTeen事業の新規性や独創性、成長性が評価され優秀賞を受賞しました。

そこで、iTeenを運営する株式会社Xistで代表取締役を務める漆川(しつかわ)直希さんに、iTeenを開校したきっかけや現在までの実績、今後の展望などを伺いました。

塾業界に、「プログラミング教育」の新市場を

―漆川さんは、学習塾を運営されるかたわらで「iTeen」の事業を立ち上げられました。きっかけは何だったのでしょうか?

―漆川
前職では岡山大学で教鞭を執っていたのですが、その際に学生の学力レベルの停滞と、日本のIT教育の致命的な遅れを強く感じていました。

ある課題に対して「簡単なプログラムを組んだ方が楽にできるよ」と教えても、インド系の留学生はすぐにできる一方で、日本人学生はポカンとしているんです。

そこで、まずは学習塾を開業して子どもの学力アップを図り、その次のステップとして、プログラミングの個別指導スタイルのスクールを立ち上げました。

「将来的にどんな仕事をするとしても、プログラミングの知識は必ず必要になる」と漆川さん。

子どもをiTeenに通わせている親御さんも、「子どもの未来にとって、プログラミングのスキルがもっとも実用的で有益」と考えて興味を持つ人が多いそう。

―漆川
IT業界としても、2030年には国内でITスキルを持った人材は80万人不足すると言われています。これはとんでもない数字。

iTeenで学んだ子が将来的に起業をしたり、社会に貢献するような技術を開発したりしてくれればいいなと思いますね。

また、漆川さんは「プログラミングは地理的な制約を受けないスキルなので、在宅でも、地方に住んでいても仕事ができる」とも。プログラミングを学べば、将来の可能性が大きく広がりますね。

学校教育での必修化など時代の流れにも後押しされ、現在までに約20店舗が運営を開始しており、2018年度は新たに50店舗を開業する見込みだそう。

少子化によって縮小する塾市場で、プログラミング教育という新たな市場を開拓しているんですね。

子どもの心を捉える、楽しんで学べるカリキュラム

―カリキュラムを組むうえで、重視されていることはありますか?

―漆川
特にこだわっているのは、ITのリテラシー教育です。

同世代の子にできないことができるようになると、子どもはすぐに天狗になってしまう。プログラミングの技術は人を傷つけるためではなく、自分を守ったり、たくさんの友だちをつくったりするためのものなんだよということを最初に教えるようにしています。

また、その子が何に興味を持つのか、どこでつまずくのかを見極めながら指導しています。

プログラミングへの入口としてゲームに興味を持つ子がいれば、ロボットに心が動く子もいる。初めは興味がなくても、いつの間にか楽しんで学んでいるようなカリキュラムになっているんです。

その成果か、1店舗目の「iTeen倉敷駅前校」を開業してから、まだ辞めた生徒がいないとのこと。通常の塾であれば毎月平均5%が辞めていくと言われているなか、すごい快挙です。

―漆川
実は、発達障害を持つ子のご家庭からも支持していただいています。

ゲームをするような感覚でスキルが身に付くので、最初は机に座っていられずに走り回っていた子も、iTeenにのめり込むようになるんです。今では、宿題もしてきてくれるようになりました。

私としても、その子の源になるような経験を積み上げていけることが嬉しくて、iTeenをやっていて良かったと思いましたね。

iTeenで課題解決能力を伸ばし、子どもが社会で生き抜ける力を育てたい

―iTeenが実現したい子どもの未来とは、どのようなものでしょうか?

―漆川
今後人口が減り、ロボットやAIが発達していくなかで、人にはよりクリエイティブな力が求められるようになっていくことは明らか。

iTeenのカリキュラムとしても、自分で課題を解決する力、粘り強く考えて自分なりの答えを導き出す力を伸ばす教育を、一つの大きな柱として展開していこうと考えています。

iTeenの教育を通して、自分の幸せのために自分で考えて動ける子をできるだけ増やしたいですね。

―今後どのように展開していくのですか?

―漆川
「ビジネスプランコンテストおかやま2017」に参加したことで、いくつかの大企業と協業する機会をいただけました。なかでも岡山大学さんとは、かなり高度な教材開発を行うことができています。

今後は、下はクリックをできるようになるところから、上はプロのSEにも匹敵する技術を持つ子たちを育てられるような環境を整えたいと考えています。

将来的には、教育とITという軸は持ちながらも、今ある学習塾やiTeenだけでなく、保育園やスポーツなどさまざまな分野に事業を展開していきたいと考えています。

今回の「ビジネスプランコンテストおかやま2017」への参加は、「自分たちの事業を見つめ直すいい機会になり、新たな出会いも生まれた」と漆川さん。
新たなサービスを考えている場合は、ぜひ応募するべきだと力強く話されていました。

漆川さんのビジョンとは
当社の社訓は「知的野蛮」。この言葉には、生き抜くための知的なワイルドさを身に付けてほしいという思いが込められています。
それは社員に対しても、子どもに対しても言えること。情報があふれて何が正しいのかもよく分からないような社会で、きちんとした生活を手に入れるだけの能力や知識を育てていきたいですね。

漆川社長、お忙しい中ありがとうございました。

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三ツ井 香菜

三ツ井 香菜

長野県出身、東京都在住。大学では化学を専攻し、新卒で入社した会社では医薬品分析を行っていた。その後、ライターに転身。マーケティング分野を中心に演劇、医薬、グルメなど幅広く執筆している。