2019
01.21

世界の推定競技人口は1億人超!今話題のeスポーツとは

世界の社窓から

ゲームを「スポーツ」のひとつとして捉えるeスポーツ。2018年には新語・流行語大賞でトップテンを受賞するなど、国内で話題になっています。

とはいえ、「子どものころに遊んでいたようなゲームが、野球やサッカーと同じプロスポーツになっている」ことに、あまりピンと来ない人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、eスポーツをテーマに、概要や現状について解説していきます。おすすめのイベントも紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

eスポーツとは?「スポーツ」と呼ばれる理由と歴史

eスポーツは「エレクトロニック・スポーツ」の略称です。一般社団法人日本eスポーツ連合では、「コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称」と定義しています。

日本でスポーツというと、「体を動かす運動」というイメージが強いですが、英語の「sport」にはもっと広義の「競技」「娯楽」という意味もあります。例えば、身体的な運動がほとんどないカーレースも「モータースポーツ」ですし、チェスは「マインドスポーツ」と呼ばれますよね。そう考えると、「ひとつのルールにのっとって競い合う」ゲームも、スポーツのひとつであると納得がいきます。

ゲームのスポーツ化は、日本より早くオンライン対戦ゲームがさかんになった欧米で進んでいきました。1997年にはアメリカで「CPL」や「PGL」などのプロゲーマーリーグが登場し、成績上位者に高額の賞金が授与されるようになります。2000年には「eスポーツ」という言葉が誕生。同年には韓国で大規模な世界大会「WCGC」が開かれ、eスポーツの認知度が世界的に向上しました。

日本では、長らくコンシューマーゲーム(家庭用ゲーム)が主流であったことや、ゲームに対して「遊び」というイメージが強かったことなどから、eスポーツでは世界に後れを取っていると言われてきました。

しかし2010年、格闘ゲームの強豪プレイヤー梅原大吾さんがアメリカの企業とスポンサー契約を結び「日本初のプロゲーマー」となったことで、eスポーツが脚光を浴びます。日本発の大会やイベントも開催されるようになり、2018年には「日本eスポーツ連合」「日本eスポーツリーグ協会」といった推進団体も発足しました。今後、国内のeスポーツシーンは一層の盛り上がりを見せそうです。

eスポーツの主要ジャンルはFPSやMOBA。国産人気タイトルも競技に

eスポーツで競技としてプレイされるゲームには、次のようなジャンルがあります。

●FPS(First Person Shooting)
一人称視点のシューティングゲーム。『Counter-Strike』シリーズなど。

●RTS(Real Time Strategy)
リアルタイムで進められる戦略・シミュレーションゲーム。『StarCraft』シリーズなど。

●MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)
RTSの複数人版とも呼べる戦略ゲーム。『DOTA 2』など。

●CCG(Collectable Card Game)
バーチャルのトレーディングカードゲーム。『Shadowverse』など。

●格闘ゲーム
『ストリートファイター』シリーズなど。

●その他
『テトリス』シリーズなどのパズルゲーム、『FIFA』シリーズなどのスポーツゲームなどのジャンルでも、eスポーツの大会が開かれています。

幅広いジャンルのタイトルがeスポーツの競技になっていますよね。なお、日本eスポーツ連合がライセンスを発行する公認タイトルの条件には、「競技性」「稼働実績」「大会の継続」「興行性」が挙げられています。

プレイヤーが自宅で独り楽しむようなゲームではなく、プレイヤー同士が選手として競い合える大会があり、その大会で観客を集められることが、eスポーツのポイントだとわかります。

eスポーツの現状~市場規模は740億円、視聴者数は世界で3億人以上


全世界でeスポーツを楽しむ視聴者は、2017年時点で3億3500万人とされています(「2018 Global Esports Market Report」)。世界の推定競技人口は1億人超。経済効果も大きく、同年における世界 e スポーツ市場規模は 6億5500万USドル(約740億円)と言われています。

日本ではまだ認知度が低く、「ファミ通ゲーム白書」が行った調査によると、「eスポーツを視聴したことがある」と答えたのは全体のたった 2%でした。一方で、日本人選手の世界大会での活躍も目立ってきています。

2018年にジャカルタで行われたアジア大会では、eスポーツがデモンストレーション競技となり、日本チームが金メダルを獲得しています。Eスポーツは2022年の中国杭州市アジア大会で正式種目に加わることもあり、ますます注目が集まりそうです。

eスポーツのプロ選手「プロゲーマー」がお金を稼ぐ仕組み

「ゲームでお金を稼げる」ことでも話題のeスポーツ。そのプロ選手であるプロゲーマーは、主に大会の賞金と企業とのスポンサー契約によってお金を稼いでいます。

賞金は海外の大会で高額になる傾向にあり、例えば『DOTA 2』の世界大会The Internationalの2018年開催大会の優勝賞金は約1,120万USドル(約12億円)にも上ります。日本では、2018年12月に開催された『Shadowverse』の世界大会の優勝賞金が国内市場最高額の100万ドル(約1億1,000万円)となり、日本人選手が獲得しました。

スポンサー契約については、企業と個人、または企業とチームの間で締結されます。例えば、先述したプロゲーマー梅原さんは、現在Red Bull、HyperX、Twitch、Cygamesの4社とスポンサー契約を結んでいます。

また、国内トップレベルのプロゲーマーチーム「父ノ背中」は、ゲーミングPCの LEVEL∞(iiyama)など6社(Loctekと、その傘下にあるブランドFleximountsを別のスポンサーとして捉えた場合は7社)がスポンサーです。

さらに、最近では企業がプロチームをマネジメント・プロデュースする動きも出てきました。2018年には吉本興業が「よしもとゲーミング」の運営を開始しています。

スポンサー契約と賞金で収入を得ているというと、テニス選手やプロチームに所属するサッカー選手と同様です。eスポーツも「プロスポーツ」と言そうですよね。

おわりに

「eスポーツを体感してみたい!」という人は、ぜひイベント観戦にチャレンジしてみましょう。eスポーツ初心者にもおすすめのイベントとしては、

RAGE
闘会議
闘神祭

などがあります。イベントの多くは動画配信されるため、会場で直接観るだけでなく、自宅のPCやスマートフォンでも視聴可能です。

eスポーツがプロスポーツとして成り立つようになったことで、体を動かす従来のスポーツと同じように、ゲームを愛し、得意としている人が、好きなことでお金を稼げるようになりました。

また、「ゲーム観戦」という新しいエンターテインメントジャンルが生まれ、娯楽の幅も広がっています。日本のプロゲーマーの活躍や盛況を見せるイベントの数々に、今後も目が離せません。

※参考URL
「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞
一般社団法人日本eスポーツ連合オフィシャルサイト
sportの意味・使い方 – 英和辞典 Weblio辞書(研究社 新英和中辞典)
急成長する「eスポーツ」を完全解説、 若きプロゲーマーたちを取り巻く新潮流とは? – AKIBA PC Hotline!「e-スポーツの現況と成長戦略の構築」成 耆政、葛西 和廣
World Cyber Gamesの歴史に幕か。同社CEOのブラッド・リー氏が大会終了を伝えるメールをパートナーに送った模様 – 4Gamer.net
今の日本は“Jリーグ前夜”–「eスポーツ」の普及が遅れた理由と今後の展望 – CNET Japan
梅原大吾  プロフィール|Speakers.jp(スピーカーズ)
新たなeスポーツ団体「日本eスポーツリーグ協会(JeSA)」が発足。独自のプロライセンス制度を掲げる – 4Gamer.net
eスポーツのプロフェッショナル化の世界動向一般財団法人マルチメディア振興センター 七邊信重
世界の「eスポーツ」ゲームいくつ言えるかな_ いま熱い競技シーンから、eスポーツの条件を考えてみる
「2018 Global Esports Market Report」
競技人口 世界で1億人超  _日本経済新聞
e スポーツ産業に関する調査研究報告書 総務省情報流通行政局情報流通振興課
2022年アジア競技大会で“eスポーツ”がメダル種目に 2018年大会ではデモストレーションが開催 – ファミ通.com
Dota 2 – The International
ついに出た! 優勝賞金1億円超のeスポーツ大会 _ トピックス _ 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
梅原大吾(@daigothebeastJP) _ Twitter
父ノ背中-Father’s Back-
「よしもとゲーミング」始動! _ よしもとゲーミング
RAGE 2018 Winter _ eスポーツ大会「RAGE」イベント特設サイト
闘会議2019 ~ゲームファンとゲーム大会の祭典~
TOP _ 闘神祭2018-19
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西東 美智子

西東 美智子

大学事務、出版社編集部勤務などを経験したのち、フリーランスライターに。 ビジネス記事では教育業界やペット業界分野が得意で、英語コンテンツ翻訳の実績も多数。 なお「鯉実ちと紗」名義で小説や詩などの文芸作品を電子出版もしている。