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201701.31

部署ごとの目的を共通化し効率化する、ビジョン独自の“エスカ”文化

みなさん、“エスカ”という言葉は聞いたことあるでしょうか?

エスカとは一般的にマーケティングやコールセンターでよく使われる言葉で、“エスカレーション”のことを指します。つまり上位管理者に報告し、対応を引き継いでもらったり、指示を仰ぐ……なんてことですが、ビジョンでは少し違った意味で使われています。

そして、そのビジョン独自の「エスカ」は非常に重要な文化となっています。実際にビジネスへのインパクトも大きいんだそう。

今回は以下3人の次長をお呼びして、ビジョン独自のエスカ文化について色々とお話いただこうと思います。


(左から順に)
四ノ宮彰人:2008年入社。ソフトバンクの法人携帯販売からキャリアをスタート。現在はビジネスフォンを主に扱う BNS事業部 次長。
小澤優:2008年入社。四ノ宮さん同様ソフトバンクの法人携帯販売からキャリアをスタート。2014年からホームページ制作などを請け負うインターネットメディア事業部に所属。現在は同事業部 次長。島田祐輔:2005年入社。OA事業部→回線系事業部に移り離職するも、復職し現在はコピー機を取り扱う OSS事業部 次長。

インタビュアー&ライター:渡邊暁
フリーランスのライター。企業のビジネスの仕組みやそれを回す組織づくりに非常に興味がある。

今回は、一部上場を果たしたビジョンの秘密を聞きにやってきた。

エスカの流れを自分達で作ってあるため、うまくいくストーリーがある

―ビジョン独自のエスカについて、簡単に説明いただけますか? すごくいい結果を生んでいると伺っています

―四ノ宮
部署間でお客様を紹介しあう仕組みを『エスカ』と呼んでいます。

私の部署で例えると、ビジネスフォンを導入したいとお問い合わせいただいたお客様に、自社のOA事業部を紹介したり……といった感じですね。

もちろん、強引に勧誘したりといったのは本末転倒で、お客様の要望を聞くことにより、「だったらこの提案をしてみよう」といったように話が進んでいくそうです。

―小澤
会社概要を説明する時に、こういう商品を扱ってます。という紹介をするので、「実は違うところで買おうと思ってた」とか「ちょうどコレ、無かったから、安く済むならお願いしようかな」というお客様がけっこういるんです。

―島田
あとは、集団成功主義っていうのが根幹にあります。

その事業部だけが目標を達成すればいいって言うのではなく、全員で目標を達成しようというのが始まりです。

私たちもそうなんですけど、もともと同じ事業部でやってた人がかなりいるので、仲間との繋がりが深いこともうまく回っている要因だと思います。

―四ノ宮
あとはお客様との信頼関係ができていると、「もう、四ノ宮さんの会社で全部やってくれるなら、お任せするよ」なんてこともあります。

お客様の目線に立てば、いろいろな業者と連絡取り合ったりってめんどくさいですよね。なら信頼できる企業に任せてしまった方がいいと。

特に起業するときは、多くのモノが必要になります。でも、自分では何をどう組み合わせるかのが最適なのかわからない。となると、信頼できる人に任せたい。というのは自然な流れだとも言えますね。

なるほどなるほど。多くの商材を扱っている企業ならではの連携プレー。うまく決まると、確かに大きな効果を生みそうです。

できるやつにうまく渡した方がいい

―エスカ文化は効率の観点でみたときにはどうなんですか?

―小澤
実はエスカをした方が、覚えることも少なくなります。

本当はセールス1人ひとりが、全ての事業部の製品について熟知しているのがベストなんですけどね。

とはいえ、ひとりですべての商品を深く理解するにはけっこうな時間がかかります。

それなら専門の部署にエスカしたほうがいいですよね? 知識がある人にキチンと渡すことができる。それが大事なことです。

たとえば情報通信の世界では、情報や商品プランが本当によく変わるそうなんです。

有料だったはずの基本料金が気づいたら0円になっていたりとか、昔は30秒で10円だった携帯電話プランが無料になっていたりとか。ひとつの商材に特化しないと、正しくお答えすることは非常に難しいんだとか。

となると、ひとりで複数の商材を扱うよりも、紹介だけして専門の人につないだ方が、お客様の満足度の観点でも、一人ひとりの営業にかかる負荷という観点でもよさそうなのは納得ですよね。

―島田
自分の商品は、もちろん深掘りして知ってますからね。

どんな質問にも答えれるようにするのも大事なんですが、1人のセールスが他の製品も一緒に契約を進めようとすると、イレギュラーな他部署の商品について質問が来ると答えるのに時間がかかってしまいます。

すると、本来行けるはずだった営業に行けなかったりするので、効率の観点でもエスカをした方がスムーズです。

集団成功するためには…?

―いいことだらけ……というふうに聞こえてしまいますが、どんなところにデメリットがありますか?

―島田
他の事業部にエスカをしてその商談が成約にいたれば、エスカした側にも売上が少し分配されるんですね。なので、とりあえずエスカをしておけば売上がつく可能性は生まれるわけです。

エスカを簡単に考え、「とりあえずコピー機ほしいってお客様が言ってるんで、行ってもらっていいですか」みたいな“軽い”エスカも実際存在します。

そこはちゃんとしてもらわないと、足を運ぶ方はキツイですね。実はお客様はそこまで契約の意図がなく、時間の無駄になったりなるので。

―小澤
残念なことにありますね……“軽い”エスカ。

自分の利益だけで動かれると全体としては成り立たない。お客様にとっても不利益なことであることを自覚しないとならない。

エスカはポイント制度になっており、各事業部、セールスごとに目標が設定されるんだそう。そして、個人レベルでもエスカをうまくできていると、ボーナスが支払われたり、昇給の要因になったり、おおきな恩恵があるそうです。

―島田
軽いエスカが生まれないよう、アクションをとっています。

当然全ての案件の状況を追いかけていますし、中身のあるエスカを根付かせるマネジメントをしています。

―小澤
そもそも獲得コストを下げれることで、お客様に喜んでいただける仕組みなのに、コストがかかっちゃう上にお客様の負荷もあがっちゃうと本末転倒ですよね。

それぞれの事業部はいま同じフロアにいるので、これからコミュニケーションをとって改善していきたいと思っています。

「相手のことを考えて行動する。」 集団行動するための鉄則ではありますが、“言うは易く行うは難し”なので、どの企業も頭を悩ます問題だと思います。

やはり全員で「集団成功主義」をしっかり意識して動くためには、いろいろな課題があるようです。

組織に横串をさすこともできる仕組み

―エスカは他社でもやられているんでしょうか?

―島田
そうですね。どの会社も自然とエスカしていたと思うんですよ。でも、規模が大きくなり、支社展開したりで縦割りとなり、関係が薄れていく。

ビジョンは部門独立採算ですが、エスカによって組織に横串をさす仕組みを文化にしているんです。

あと、どんな組織でも“エスカ”が絶対的に良いというわけじゃなく、もしかしたら違うところもあるかもしれないのでは、と思います。

そうですよね。組織形成に普遍的な正解ってないですもんね。

結局は会社のビジョンとして、どの方法を選択するか。ということになるんだと思います。


インタビューの中で面白かったのは、エスカによって生まれた揉め事の部分。笑いながらもこんな形で話していました。

―四ノ宮
前に、コピー機とビジネスフォンの粗利が違うので揉めたりとかありましたね(笑)

粗利が低い方が、粗利が高い方を紹介すると、紹介した事業所の方が業績が良くなるので「ウチがとって来たのに」ってやつです。

―島田
いまは折半にしているので揉めないですけどね。

ただ、会社を立ち上げる時、まずはビジネスフォンの相談から入る方が多いので、エスカしてもらうことによって、問い合わせが増えることは感謝しています。

―小澤
そうですね。ビジョンにとってエスカが大きなインパクトを生んでいることは間違いないですよね。

いいことだらけ! ……というわけではなく組織によっては課題がありそうですが、お互いのことを信頼しているからこそうまく回るエスカ文化。

集団成功主義を掲げるビジョンだからこそ、うまくまわっていて、強く根付いている文化なんだと感じました。

うまくエスカが回る会社、回らない会社。もちろんさまざまだとは思うんですが、イチ事業部イチ事業部が会社全体のことを考える仕組みって、1人ひとりのビジネス的意識も高くなるような気がします。

うちの会社に適応できるか、考えてみようかな……。

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