202003.24

Z世代の見逃せない影響力。マーケティングで押さえておくべきこと

市場での存在感を増すZ世代が、マーケターたちの注目の的となっています。2019年には世界の全人口の約3分の1をZ世代が占め、購買力はアメリカ国内だけで年間440億ドルあるとのこと。まだ若い世代で、社会人の割合それほど多くありませんが、Z世代の70%が、家族の購入意思決定に影響を及ぼしているという調査データもあります。

そんなZ世代とは、いったいどのような世代なのでしょうか?

上の世代であるミレニアル世代との違いも踏まえながら、マーケティングを考えるうえで押さえておきたいポイントを解説していきます。

Z世代とは?スマホ・SNSネイティブの時代背景

Z世代は、「ジェネレーションZ」「ポストミレニアル」とも呼ばれる消費世代区分のひとつで、主にアメリカのマーケターたちが2000年代から提唱しているものです。これより前の「X世代」「Y世代」に続く世代として「Z世代」という名称がつけられています。

それぞれの世代の定義は一定しておらず、年代は多少前後しますが、JETROの資料では次のように区分されています。

・ X世代:1965~80 年
・ Y(ミレニアル)世代:1981~96 年
・ Z世代:1997 年~

そんなZ世代は、次のような出来事を経験してきた世代です。

・最年長層は中学生のときにFacebookブームを経験(2011年頃)。
・遅くとも13歳のときにはスマートフォンが身近に(2010年にiPhone4発売)。
・リーマンショック後の経済不況による両親世代の財政困難を、幼少期に目の当たりに(2008年以降)。
・小学生の頃、「ネットいじめ」が世界的に顕在化(2007年頃)。
・10歳前後の頃、アメリカでアフリカ系アメリカ人のオバマ氏が大統領に就任するなど、同国を中心にリベラルな機運が向上(2009年~)。

特に「10代前半で、すでにスマートフォンやSNSが身近だった」というテクノロジー面の背景で、ほかの世代との違いを感じさせられますよね。

ミレニアル世代とどう違う?Z世代の消費傾向やIT感覚

では、Z世代は具体的にどのような特徴を持つのでしょうか。上の世代であるミレニアル世代と比較してみましょう。

●価値観と消費行動
ミレニアル世代に共通する価値観は「(将来より)現在を重視する」「楽観的で理想を追い求める」「自分自身を大切にする」といったものが代表的。消費行動では「今、自分が理想的な体験・経験を享受できるのであれば、その分お金を使うこともいとわない」という傾向があるといわれています。

これとは対照的に、Z世代は「(現在より)将来を重視する」「現実的で実利を追い求める」「自分だけでなく『私たち』の視点で考える」といった価値観の持ち主です。そのため、お金に関してシビアで、貯蓄を重視したり、商品やサービスの購入ではコストパフォーマンスを重視したり、DIYに積極的だったりという傾向があるといわれています。

また、自己中心的に考えず「将来にわたって“私たち”がよい生活を送れる」ことを重んじることから、健康や環境、社会に配慮したライフスタイルを好みます。さらに「理想よりも本物」という志向が強く、見た目やイメージを過度に取り繕ったものの見せ方は快く思いません。

●ITとの付き合い方
ミレニアル世代は、自分のあらゆる情報をインターネットで共有する傾向が強め。SNSで自分の行動や考えを広くシェアしたり、よりよいサービスを受けるために企業に自分の情報を提供したりすることに、抵抗を感じにくいといわれています。また、メールになじみがある世代でもあるため、情報共有はテキストが主流です。

これに対してZ世代は、サイバーセキュリティやプライバシーの保護に敏感です。SNSで情報を共有する場合も、Instagramのストーリーズ機能やSnapchat(10秒で登校が消えてしまう動画・写真SNS)を使い、ごく身近な範囲で、限られた時間のみ閲覧できるようにしたがります。

また、テキストよりも動画や画像などビジュアルによる情報共有がメイン。これには、Z世代の集中力持続時間が8 秒(ミレニアル世代は12秒)と、かなり短いことも関係していると考えられます。ミレニアル世代以上にITが身近であることも関連し、ある研究では、Z世代は5つの 画面を切り替えながら同時進行的に見ているケースもあることがわかっています。

Z世代にどうアプローチする?マーケティングで押さえておきたいこと

こうした価値観や行動傾向を持つZ世代に対し、いかにマーケティングアプローチを考えていくべきでしょうか。マーケティングの4要素から考えてみましょう。

●製品・サービス
Z世代には、実質的な利便性の高いものや、「本物」を感じられるもの、健康・環境・社会に配慮したものなどが支持されます。

たとえば、コストパフォーマンスがよく、便利で環境にもよいシェアリングエコノミーのサービスやフリマアプリは、Z世代にマッチするビジネスといえます。また、「本物」を感じられるアナログの商品(レコードやチェキなど)も脚光を浴びています。

逆に、ブランド性や高級感には、Z世代はあまり魅力を感じません。加えて「好きなものを好きなときに、好きなお店で買いたい」という実利的な考え方から、ブランドがユーザーと密接な関係を築くロイヤリティ・プログラムなどには関心が高くないことがわかっています。

●価格
前項と関連して、コストパフォーマンスのよさがカギです。たとえば、SpotifyやNetflixなどのサブスクリプションモデルは、ミレニアル世代の場合以上に支持されると考えられています。

●流通
ECだけでなく、店舗での買い物も重視する傾向にあります。今は、インターネットでの買い物を保護者から制限されている学齢期層が多いことも要因となっていますが、Z世代の本物志向を考えると、あながち、それだけでもないかもしれませんね。

●販促
方向性としては、「自分らしさ」や「達成可能性」がキーワード。「このブランドなら、こんな憧れの体験ができる」といった、ブランドに紐づいた特定の理想イメージを提示するよりも、「このブランドで、あらゆる自分らしさを実現できる」といった見せ方のほうが、Z世代には刺さりやすいでしょう。また、自分にとってリアルに感じられることを重視するZ世代には、著名人を起用した広告よりも、インフルエンサーマーケティングのほうが効果的だと考えられます。

販促メディアについてはSNS、特にInstagramとYouTubeを積極的に活用したいところ。情報をシェアする範囲は限定的なので「Twitterでバスらせる」といった戦略は向かないかもしれません。また、SNSネイティブのZ世代は、情報収集にあまりインターネット検索を使わないため、SEO対策などの考え方は通用しない可能性もあります。

実際、どんなブランドを評価しているの?ニュースから垣間見るZ世代の実態

最後に、Z世代の実態を把握するヒントになるようなニュースをご紹介しましょう。Z世代の日常を垣間見られるのではないでしょうか。

●老舗ブランドもランクイン…Z世代で人気急上昇のブランドトップ10 _ Business Insider Japan
データ分析企業モーニング・コンサルトは、2019年、各世代において「購入を検討する機会が大幅に増加した」というブランドを世界的に調査。Z世代から人気を集めるブランドのランキングは、次のようになっています。

1位 ドアダッシュ(DoorDash)
2位 ポストメイツ(Postmates)
3位 アクティビジョン(Activision)
4位 シリウスXM(SiriusXM)
5位 ホワイトクロー(White Claw)
6位 ウォルグリーン(Walgreens)
8位 ナショナルジオグラフィック(National Geographic)
8位 グラブハブ(Grubhub)
9位 ソニー(Sony)
10位 ウーバー(Uber)

「DoorDash」「Uber」といったスタートアップと、「ソニー」「ナショナルジオグラフィック」のようなレガシーブランドが混在しているのが特徴的です。前者は「実用性やコスパ重視」、後者は「品質や『本物』重視」の表れだと考えられそうですよね。

おわりに

Z世代の価値観や行動パターンは、今まさにマーケティング戦略を考えているビジネスパーソンには、なかなかイメージしづらいかもしれません。

とはいえ、今若いこの世代が成長してくれば、いっそう存在感を増してくると予想されます。これまでとはまったく異なるアプローチも視野に入れつつ、Z世代へのマーケティング戦略を考えていく必要がありそうです。

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