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201806.04

今、スタートアップで最も熱い国。イスラエルが世界から注目を集める理由

世界の地域のなかで、勢いのあるスタートアップが集まる場所と言えば、皆さんはどこを思い浮かべますか? 元祖スタートアップの聖地シリコンバレー? それとも、ここ数年で目覚ましい発展を遂げた中国の深センかもしれませんね。

実は、これらに負けず劣らず、数多くのスタートアップが生まれていることで注目を集めている地域があります。その地域は、イスラエル。いったいどれほどの発展を遂げているのか、その背景にあるものは何なのか、イスラエルのスタートアップ事情に迫ります。

世界的に評価される「スタートアップの国」イスラエル

近年では「Startup Nation(スタートアップの国)」とも称されているイスラエル。人口ひとり当たりのスタートアップ数は世界最多で、年に800〜1,000社ものスタートアップが誕生していると言われています。日本より面積の小さな国で、年に1,000社ものスタートアップが誕生しているなんて、驚きですよね。

こうしたイスラエルのスタートアップ事情は、世界的に高い評価を得ています。

世界のスタートアップ・エコシステムについて調査しているStartup Genome が発表した「Global Startup Ecosystem Report 2017」によると、世界20都市におけるスタートアップ・エコシステムの評価ランキングで、イスラエルの都市テルアビブは第6位。上海やシンガポールよりも上位となっています。
同ランキングは、各都市のスタートアップ・エコシステムを、「パフォーマンス(生産高、M&A、時価総額など)」、「ファンディング (資金調達)」、「タレント(人材)」、「マーケットリーチ」、「スタートアップ・エクスペリエンス(将来的に活用が期待できる経験やネットワーク)」の5つの要素に分け、それぞれを数値化して順位付けしたものです。
つまり、この5つの数値が高い都市は、「スタートアップの成長を促進する仕組みが整っており、実際にスタートアップが発展している」と、客観的に認められた都市であると言えるでしょう。イスラエルの発展を象徴する街テルアビブは、今や世界を代表する「スタートアップの街」になっているんですね。

イスラエルのスタートアップを支える4つの背景

イスラエルのスタートアップに勢いがあることには、次のような背景があると言われています。

【先進的・実践的なIT教育】
イスラエルの子どもたちは、3歳~18歳の義務教育(現在法的拘束力があるのは5歳~)のあいだに、先進的かつ実践的なIT教育を受けています。基礎的なプログラミング学習から始まり、最終的にはソフトウェア開発やサイバーセキュリティといった発展的な内容まで学ぶとか。日本の大人も顔負けですよね。

【軍隊で得られる技術力と人脈】
イスラエルの人たちは、高校を卒業すると、男性は3年間、女性は2年間の兵役につくことが義務づけられています。
この際、先述したIT教育の成績が優秀だった人材は、テクノロジーの専門部隊に配属。最新技術の研究・開発に従事して、さらに技術力を磨きます。また、軍隊で得た人脈が、起業の際の人的資源になることも多いようです。

【政府によるスタートアップ支援政策】
イスラエルでは、政府が積極的にスタートアップを支援しているのも特徴です。たとえば、「Technological Incubator」と呼ばれる助成金プログラムでは、1991年の制度開始から2012年までに、1,700社のスタートアップに対して6.9億ドルが出資されました。
そして1,500社が一定水準まで成長、900社が民間VCなどから投資を受けることに成功しています。アーリー期までの資金獲得は難しいことも多いですから、制度的に支援してもらえるのはありがたいですよね。

【起業意識の高い国民性】
起業意識が高く、再チャレンジを認めるイスラエルの国民性も、同国で多くのスタートアップが生まれる要因になっていると言われています。
たとえばイスラエルでは、一度設立した会社を、大きくなる前に売却してしまい、その資金で新たな会社を興して、次の課題解決に取り組む、といったことも評価されるそうです。
その背景としては、急速に発展を遂げた国であるがゆえに現時点で安定した大企業が少ないことや、政情が不安定であるために「企業を大企業まで成長させる」といった考えが強くないことなどが考えられています。
日本では、起業した会社を手放すことに対してあまりいい印象をもてない文化がありますが、イスラエルの前向きな姿勢を、少し見習ってもいいかもしれませんね。

<次ページ:イスラエルのスタートアップの強みとは>

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