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201808.17

「串カツを日本を代表する食文化にする」串カツ田中が世界に挑戦するために大切にしていること

今やメディアを通じて知らない人はいないのではと思うくらい、飛ぶ鳥を落とす勢いの「串カツ田中」。足しげく通うファンの方も多いと思います。

2018年6月から「全席禁煙化」を決断しても来店者数は前年同月を上回り、話題になったのは記憶にも新しいですよね。

今回は、そんな株式会社串カツ田中の代表取締役社長 貫 啓二さんにインタビュー。
「串カツ田中」の成長には、商品開発は勿論のこと、同じくらいに注力をしていること事がありました。

串カツ田中というブランドに、企業理念を育ててもらった

―2018年8月12日で207店舗目を出店とのこと、おめでとうございます。これまで串カツ田中はどういった歩みでここまで成長してきたのでしょうか?

―貫
串カツ田中の成長って、僕が過去の失敗を修正して築いたのではなくて、串カツ田中のブランドが本当にすごいと思っているんですよ。

多店舗一業態が育つのって、本当に稀なことで、計算して作れるんだったらそんなに簡単なことではないんですよね。串カツ田中は、本当に僕の期待なんかよりもすごく大きな答えをいつも残してくれて。

変な話、僕でなくても勝手に育ったくらい強かったと思っているんですよ。串カツ田中の成長に僕らが一生懸命ついていったっていうイメージですね。

創業わずか8年で会社を上場させた社長の態度とは思えない謙虚さ……!

串カツ田中の創業前は流行に沿った事業を経営していた貫社長ですが、串カツ田中が貫社長にとって最後の勝負だったんだそう。同時に、今は副社長である田中さんの「10年間串カツをやろう!」という思いも一身に背負っていました。成長の秘密は、企業理念を決め、それに従ったことだとか。

―貫
企業理念の大事さは、僕は人一倍わかっているし、串カツ田中に育ててもらったと思っています。

串カツ田中の創業前に店舗運営をしていた時期に、会社内で内部分裂が起こり、お店を半分ほど閉めなければいけない状況になりました。理念は決まっていたけど、共有がうまくいってなかった。勢いに押されて大事なことを忘れていたんですね。

100人いればいろいろな考え方があるし、得意不得意があっていいと思っています。ただ、考え方はばらばらでも、目指す場所は一緒じゃなきゃいけない。

理念よりも人との相性が先行してしまい、相性の良い派閥、悪い派閥に分かれてしまった時期があったとか。
現在は常に理念浸透の作業をし続けているそうで、今回の全店舗禁煙という決断も、理念に従うことを突き詰めた結果なんだそう。

話題性を求めてこういった施策をする企業も多い中、まさに英断だと思います。そして、どのようにして理念を社内に浸透させているのか、気になります。

理念に従っていい影響があったときにはじめて腹落ちする

―貫
どの会社もそうですが、会社の理念ってすごくきれいな言葉ですよね。

でも、理念を言われて「あっなるほど」なんて誰も思わないと思うんです。ましてや、過去の歴史や人の説明をしたところで誰も腹落ちしない。「だから理念は大事なんですよ」と説いても同じです。

理念に従うことによって、会社が良くなっている実感があったときに、はじめて理念が正しいんだと腑に落ちるんだと思います。

なるほど……。たしかに、新しく入社した人は会社のことなんて知らないし、歴史などを聞いても当事者ではないのでわからないですよね。
やってみて、いい方向に変わった実感を得てはじめて腹落ちする、というのはしっくりきます。

―貫
あとは、当社では「研修センター店」という店舗を小伝馬町に作ってます。

研修をおこなってから現場デビューをしますが、そのタイミングで同期を作ってあげられる場所にしていくことが目的の一つです。

上司や同僚と気が合う合わないというのは、縁みたいなものです。でも縁に左右されるのは企業としてダメだなと思っていて。

研修センター店があれば、ちがう研修で集まったときも「お~っ久しぶり」ってなって。自分の居場所という感じがしますよね。

特に中途採用では同期もいないことが多く、不安になりがちです。顔見知りの仲間がいればそれだけで辛いことも乗り越えられたりするもの。

研修センター店でのコミュニティづくりが、串カツ田中の成長の理由かもしれません。実際に、研修センター店立ち上げをきっかけに離職率も劇的に下がったとか。

ちなみに研修センター店では、新人ばかりということもあり値段も他店より安くしているので、お客様は常にいっぱい。活気のあるお店なんだそうです。一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

ハワイでハイボールを飲みつつ串カツをつまめるのが串カツ田中のよさ

―日本では順調に店舗数を伸ばされていますが、串カツの海外の反響はどうなのでしょうか。

―貫
ハワイとシンガポールに進出しています。ハワイは7割近くが日本人観光客。観光でハワイに意気込んで来て、ステーキ食べた後どこへ行こうか迷ったときに、串カツ田中に行こうか、と考えて来てくださいます。
串カツ田中だけは、ハイボール飲んでつまみを食べて、遠慮せずに帰れる。こういう店がハワイには少ないということがよかったんでしょうね。

海外旅行ではついつい意気込んで有名な料理を食べにいったりしてしまいますが、そんなときに日本食屋を見ると安心しますよね。
海外で串カツを食べながらハイボールを飲める環境は、旅行者や駐在員の憩いの場になっているのかもしれません。

―貫
ゆくゆくは串カツを日本を代表する食文化にしたいですね。外国人が日本料理っていったら、まず「寿司じゃないの?」という。そこに串カツを入れたいんです。

なので、まずは大阪のソウルフードである串カツが、日本全国どこへ行っても食べれるように店舗を増やすことに注力していきます。

「焼肉食べたいな」「焼き鳥食べたいな」「寿司たべたいな」の選択肢の中に「串カツ食べたいな」が当たり前に入るようにしていきたいです。

串カツを日本を代表する食文化にする。
そのために、まずは日本の老若男女に串カツ田中を認知してもらわなければならず、そのための取り組みの一環として全店舗禁煙も位置づけられているんだそう。
正直、そこまで壮大なビジョンのもとにおこなわれたとは思いませんでした……。決して一過性の話題作りなんかではありません。

―貫
訪日外国人も、日本食に興味を持って訪れる方も多いですよね。
日本で串カツを知っていただければ、口コミで「日本の串カツはおいしいよ」世界で認知が広がるかもしれない。そうすれば日本のお店ももっとたくさんのお客様がいらっしゃるかもしれません。そのために、まずは禁煙施策なんです。

アルバイトが社員になるとき、はじめて会社は認められる

―今後の串カツ田中の目標をお聞かせください。

―貫
弊社の平均年齢は28歳、営業部取締役で30歳くらいと、すごく若いんです。そんな子たちが成長して、人よりも高い給料を稼いで、社会的地位も上がっていくことがすごく嬉しいんですよ。

きっかけはどうであれ、串カツ田中に入ってきた人たちは、ビジネス思考になってくれたり、誇らしく成長してくれていっています。そこが僕のモチベーションですね。

若い人たちにいろいろなステージを用意したい。いろんな経験をしてもらいたい、と貫社長は語ります。そのために店舗数を拡大、上場まで果たされました。貫社長の給料は、ここ何年も据え置きだそうです。

―貫
社員が辞めてようが辞めまいが、ずっと関係は大事にしていきたいし、アルバイトさんが社員になってくれたらこれほど嬉しいことはないです。
アルバイトさんが社員になってくれるということが、一番会社を認めてくれたということだと思っています。それを一番の喜びとして、これからも”いい会社”を作っていきたいですし、それしか考えていません。

改めて、串カツ田中が商品開発と同じくらいに注力をしていることは、「理念の浸透」でした。理念が浸透した結果としての全店舗禁煙であり、研修センター店なんですね。

働くスタッフの顔が浮かんでくるほど愛情あふれる経営思考と、理念がどういうものであり続けるべきか、とても大事なことだと改めて勉強になりました。

串カツ田中の理念は「串カツ田中の串カツで、ひとりでも多くの笑顔を生むことにより、社会貢献する。」これからもこの理念を貫いていってほしいです。

貫社長、お忙しいところありがとうございました。


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