支え合い、備え、いのちをつなぐ
『震災リゲインpress』 転載記事
33号 発行:2020年5月20日

今災害が起きたら? 避難所と感染症

<記事:関口威人 イラスト:飯川雄大>

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐべく、各所で対策が続いています。
いま地震や大きな水害が起きたら、避難所ではどうすればいいでしょうか。

◎ ホテルや旅館も避難所に ◎
いま災害で避難所を開設することになった場合の新型コロナ対応について、国は4月中に計3回の通知を都道府県や保健所設置市あてに出しました。
 その要点はまず、❶状況に応じた収容人数を考慮し、指定避難所以外にもできる限り多くの避難所を開設すること(ホテルや旅館含む)。また、❷可能な場合は親戚や友人宅への避難を検討してもらい、避難所が過密状態になるのを防ぎます。なお、既に各都道府県では新型コロナの軽症者や無症状者の宿泊療養用にもホテルや旅館の確保が進んでいるため、災害対応部局は保健福祉部局などの関係部局とよく連携、調整を図るべきだとも指摘しています。
 その上で、❸避難所では避難者の健康状態を確認し(到着時および定期チェック)、避難者や運営スタッフが手洗いや咳エチケットなどの基本的な感染対策を徹底。十分な換気や清掃など、衛生環境もできる限り整えるのが望ましいとしています。
 国はこれまで、米疾病対策センター(CDC)の指針などを基に国内の研究者がまとめた「避難所における感染対策マニュアル」を東日本大震災直後に活用し、内閣府が「避難所運営ガイドライン」で感染症対策にふれるなどしてきました。そこで想定されてきたのは主にインフルエンザやノロウイルスですが、今は新型コロナ感染症を想定した対応も必要です。
 たとえば発熱や咳などの症状が出た人々には、他の避難者と離れた専用スペースを用意するのに加え、可能な限り個室と専用のトイレを確保する。やむを得ず上記の症状の人々を同室にする場合も、パーティションで区切るなどの工夫が望ましいとされます。そして、もし避難者が新型コロナ感染症を発症した際の対応については、軽症でも一般の避難所滞在は適当ではないことを原則に、やはり保健福祉部局と十分に連携して事前に検討すべきだとしています。

◎「サポートブック」公開も ◎
 近年、日本でも避難所の環境改善が叫ばれてきました。「避難所・避難生活学会」は、特に重要な「TKB」=トイレ、キッチン(食事)、ベッド(睡眠)の改善を求め、「ストップ・ザ・雑魚寝」のスローガンを提言するなどしてきました。今回のコロナ対応でも、段ボールベッドを導入した上で最大3m幅の通路を設ける避難所のレイアウトを提案しています。
 また、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)は、新型コロナの感染拡大下の避難所対応をまとめた「新型コロナウイルス 避難生活お役立ちサポートブック」をウェブサイトで無料公開中です。
 同ネットワークの「避難生活改善に関する専門委員会」が感染症専門家や政府関係者の助言も受け、避難所の運営スタッフの服装から受付のレイアウト、段ボールベッドとパーティションの配置などをイラストで具体的に例示。一般の人に協力してもらうことなどもきめ細かく列挙しています。
 専門委員の一人で名古屋市の認定NPO法人「レスキューストックヤード」常務理事の浦野愛さんは「新型コロナではボランティアも避難者と密接に関われなくなるなど、今までと捉え方を変えなければなりません。その分、避難所にいる人たちが互いの体調や変化を今まで以上に気遣い、何かあれば外部の保健医療チームへ迅速につなぐなどの体制をつくっていく必要があるでしょう」と話します。
 誰も経験したことのない状況だからこそ、一人ひとりが何をできるかを考え、“離れていても”協力し合うときなのかもしれません。

読んでみよう
新型コロナウィルス 避難所生活お役立ちサポートブック
全国ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)
ウェブサイトで公開中 jvoad.jp/guideline/


第33号 は、他以下の取組みをご紹介しています。
明日に架ける橋
2面 ● 新型コロナ対策・生活の切り札!
3面 ● もしもの時の生活再建入門 ● 書評ほか 
4面 ● ひとと復興・防災 ● 感染症と自然災害
続きはこちらからご覧ください。

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