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201908.20

会計は事業運営の「燃料計」。起業家が後回しにしがちな会計を守りから「攻め」に転換する

起業家にとって、会計は本業と直接関係のない業務でありながら、やらざるを得ないものです。そのため、どうしても後回しになりがちだという人も多いのではないでしょうか。

しかし、会計をこまめにやらなかったために、思わぬ失敗をしてしまったという事例も聞かれます。
そこで、会計ソフトを提供する弥生株式会社 代表取締役社長 岡本浩一郎さんに、事業運営における会計の役割や会計をしっかり行うべき理由、会計の未来などを聞きました。

会計をやらないのは速度計や燃料計がないのと同じ

―これから起業を考えている方や起業して数年の方が、起業を成功させるために会計で押さえるべきポイントはありますか。

―岡本
そもそも誤解されがちなのが、会計が何のためにあるのかという点です。年に一度は決算をして税金を払わなければならないから会計をやらなきゃと思われている方が多いのですが、それだけでは非常にもったいない。
会計の本来の役割は、自分の事業が今どんな状態にあるのかを可視化することだと考えています。

本業に付随して発生する会計の業務を、「面倒だな」と思いながらなんとかこなしているという方は多いのではないでしょうか。でも、会計が本業にプラスになるとすれば、会計に対するイメージも変わってきそうです。

―岡本
車を運転するときに速度計や燃料計がなければ、自分が何キロで走っているのか、あとどれだけ燃料があるのかも分からず、不安で走れないでしょう。会計をやらないというのは、速度計や燃料計がないのと同じこと。
会計をせずに、今後の現預金の見通しがないまま事業を運営するというのは、とても危険なんです。

毎日とは言わないまでも1カ月に1回は帳簿を付け、事業がどの地点にあるのか、どのくらいのスピードで、どれくらいの燃料があるのかを確認することが必要だと言います。

―岡本
会計は、守りではなく攻めです。事業の現況を確認したうえでアクションを取るためのツールとして、うまく使ってもらいたいと考えています。

会計を後回しにしたときに起こり得る、最悪のケース

―きちんと帳簿を付けている企業とそうではない企業では、後々どのような差ができるのでしょうか。

―岡本
最悪のケースでは、儲かっているのに倒産するという事態が起こり得ます。いわゆる、黒字倒産というものです。

事業が儲かっていれば資金は潤沢にありそうな気がしますが、実は見えていない部分に大きな落とし穴があります。

―岡本
一般的に、事業では物が売れるタイミングとそれに対してお金が入ってくるタイミングにズレがあります。続けて売上をあげるためには、お金を受け取る前であってもさらなる仕入れが必要です。
事業が順調に拡大していれば、次の仕入れ額はそれだけ大きくなります。つまり、事業が順調に拡大していればいるほど、資金繰りは厳しくなるんです。

仕入れと実際に売上金が入ってくるタイミングのギャップにより、物が売れていても手元に現金がないという事態が発生します。極端な話、儲かっていたとしてもお金がゼロになれば倒産です。

これまでにも、きちんと会計をしていなかったがゆえに危ない思いをした会社は相当数あるとのことでした。

―岡本
このように、きちんと帳簿を付けて利益と現預金を両方可視化しておかなければ、思わぬところで失敗する可能性があります。
一方、帳簿を付けることによってある程度先の予想ができ、適切な投資のタイミングを計ることができるようになります。

会計ソフトを利用すれば、計算はもちろん、帳簿の作成も一部自動化されます。ツールを活用することで会計自体にかかる手間を減らしながら、きちんと現況を確認して事業を進めるようにしたいところです。

事業本来の目的を果たすために

―特に起業家にとって、御社の会計ツールを利用するメリットはありますか。

―岡本
起業されたばかりでは、そもそも何をどうしていいのかも分からないのではと思います。我々はもちろん帳簿を付けて申告書を出すという部分をサポートしていますが、お客様の悩みはそこだけではない。
領収書の宛名はどうすればいいの、領収書が出ない交通費はどうすればいいのといったように、会計に至るまでの些末な部分も含めて、我々はウェブサイトやカスタマーセンターで情報提供し、解決しています。

たしかに、些細なことは人に聞きづらく、ウェブで検索して調べるにも時間がかかってしまって面倒です。そんなとき、弥生さんに聞けば分かるというのはとても心強く感じます。

―岡本
本来起業家の方がやりたいことは、業務を成立させることや、事業を成功させること。会計ソフトはそのためのツールとして使っているわけです。
我々もお客様のその目的に向けて、ツールを提供するだけでなく、お客様が直面する悩みごとのサポートができればと思っています。

そう話すように、弥生のウェブサイトでは、

• 資金調達ナビ
• 働き方改革への取り組みガイド
• 起業家応援プロジェクト

など、会計には直接関係のない情報コンテンツも掲載。事業を成功させるという会計の本来の目的を、会計という枠にとらわれずに後押ししています。

起業家にとってお金に関係することといえば、資金調達も大きなトピックの一つ。資金調達を行うときに、会計に関して知っておくべきことはあるのでしょうか。

―岡本
会計がきちんとできていない会社は、資金調達をしようと思っても、そもそも相手にされません。お金の管理ができない人にお金を託すことはできませんよね。
資金調達を目指すのであれば、会計は最初からしっかりやっておく必要があることを知っておいてほしいと思います。

自動化により、人間の価値はシフトする

―今後の展望をお聞かせください。

―岡本
事業者の方は、帳簿を付けたいわけでも請求書を郵送したいわけでもなく、事業を運営するうえでやらざるを得ないからやっています。そういった部分を、我々としては徹底的に自動化していきたいと考えています。

少しずつ自動化の部分が増え、進化している会計ツール。今後も会計により手間をかけなくて済むよう、さらにツールを進化させていきたいと言います。

―岡本
たとえば、クラウドで請求書をつくれば、自動で郵送されるというサービスを提供しています。将来的には、見積書や請求書のやり取りを電子的に完結できるようにしていきたいと思っています。
また、きちんと会計帳簿を付けていればそれをもとに融資の判断が下され、必要なときに自動で融資がされるような仕組みもつくりたい。本当にやりたいこと以外の部分は、我々がどんどん自動で処理できるようにしていきたいんです。

では、今後会計にまつわるテクノロジーが発展していけば、社会はどのように変化していくと考えられるのでしょうか。

―岡本
単純作業がなくなり、人間がやらなくてもいい部分が拡大していけば、逆に人間だからこそできることにもっと時間が使えるようになっていきます。
たとえば、自動で作成された帳簿から何を読み取るかということが、人間の価値になっていくんです。守りの仕事が、攻めの仕事に転換していくイメージです。

同じことを淡々とこなすのが好きな人、戦略を考えるのが得意な人など、人によって向き不向きはありますが、総じて人間は新しい価値を生み出すことにシフトしていかなければならないと言います。

すぐにそうなるわけではありませんが、これは人間でなければできない仕事なのか、あるいは機械に任せた方がいい仕事なのかの判断を少しずつしながら、変わる世の中に適応していくことが求められているのですね。

岡本さん、お忙しいなかありがとうございました。

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