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201812.17

“お葬式のブラックボックス”を解決?「お坊さん便」を生み出したベンチャーが日本の葬儀を再定義する

流行語ともなった「終活」がブームとなり、65歳以上で一人暮らしの人が2020年までに700万人に達するといわれています。
今、高齢化という問題に社会をどう適応させるかは、日本の喫緊の課題です。

今回は、そんな日本の社会課題に対して「葬儀」に焦点を当て、葬儀に必要なものを一気通貫で提供する、株式会社よりそうの代表取締役 芦沢 雅治さんにインタビュー。

葬儀業界の課題、メディアでも話題になった「お坊さん便」が支持される理由から、日本社会の葬儀への向き合い方についてたっぷり語っていただきました。

ブラックボックスだった葬儀業界を分かりやすく

ー葬儀業界は保守的な業界のイメージです。参入されたきっかけは何だったのでしょうか。

―芦沢
もともと複数の情報サイトを展開していたのですが、なかでも反響が大きくお客様の課題感が強かったのが葬儀の分野でした。
調べてみたところ、葬儀を含むエンディングのサービスを一気通貫で提供している競合はいなかった。そこで参入を決めたのがきっかけです。

一般的に、エンディングには、以下のような多数のやるべきことがあります。

・葬儀社の手配
・参列者への連絡
・お坊さんの手配
・位牌などの仏具の手配
・式場の手配
・お墓の手配
・行政への各種手続き
・相続の手続き
・遺品の整理

これらを親しい人が亡くなった直後の心情でやらなければいけないのは、とても大変なことです。
しかも、価格やプランなども分かりにくく、どこに頼めばいいのかも分からない方が多かったそう。

そこで、よりそうでは、終活から葬儀、供養までを一元的にサポートするサービスを提供。
「どこを頼ればいいのか分からない」ブラックボックスだった業界を「分かりやすく」し大きな価値を生み出しました。

話題になったサービスの背景にあるのは、お坊さんとユーザーニーズの合致

ー大きな話題になった「お坊さん便」誕生の背景には何があったのでしょうか。

お坊さん便 https://obousan.minrevi.jp/
よりそうが提供する、定額のお坊さん手配サービス。さまざまな宗派に対応し、日本全国に手配が可能。
―芦沢
もともとお坊さんの『法事・法要で困っている方を助けたい』『お勤めの機会をもっと増やしたい』というニーズがあるのは把握していました。
一方、菩提寺(先祖の墓があり、葬礼・仏事を営む寺。)がない方が増えたことで、ユーザーにも『すぐに葬儀をおこないたいが、お坊さんの手配の仕方が分からない」というニーズが多くありました。そこにマッチングの可能性を感じたんです。

なるほど。お坊さんと法事・法要をおこないたい人のニーズがマッチしたんですね。
しかし、そもそもなぜ両者がすぐにマッチングできないほどに接する機会が減ったのでしょうか。

―芦沢
都市化による地方の過疎化と核家族化の影響で、お寺に関わる人の母数が減ったことがあげられます。
したがって、仏壇の前で『拝む』などの行為が継承されなくなってきました。
昔はおじいちゃんおばあちゃんの家に行くと必ず仏壇に向かって拝む文化がありましたが、我々の父親世代になると、核家族化が進んでいるので、そのような機会は減りつつあります。

江戸時代は寺請制度という、幕府が主導してお寺と社会をつないだ制度が存在していました。明治以降も地方を中心にその慣習は残り、人々はお寺との関係性を結んでいたんだそう。
しかし、地方の過疎化により人口が減少し、檀家の数も減少。その結果、人々とお寺の距離が遠ざかってしまいました。

お坊さん便は、法事・法要をおこないたいが頼るお寺を持たない人とお坊さんのマッチングサービス。このような背景があると考えると、ニーズはかなりありそうですね。

みんなが「考えたくない」葬儀を、考えなくても済むように

ー葬儀業界の企業として、社会における「死」への向き合い方は変わってきていると思われるでしょうか。

―芦沢
死者を弔いたいという考え方は変わっていませんが、現代人の核家族化・コミュニティ離れ、宗教観の変化などから、送り方の形は変わってきていると思います。
ちなみに、弊社への問い合わせのパターンは大きく分けて、・身内に不幸があり今すぐ葬儀をやりたい
・葬儀は事前にどのような手順が必要で、価格がどのくらいか知っておきたい

の2種類がありますが、最近では後者の事前問い合わせが8割。
孤独な死を迎える方も増えており、「終活」という言葉もブームになりました。
そうなる前に、あらかじめ準備しておこうというニーズが増えてきています。

それでも、葬儀について「できれば考えたくない問題」と思っている人はまだまだ多いと芦沢さんは語ります。
だからこそ、不幸があったとき、少しでも考えなくて済むような形で葬儀を提供するのがよりそうのサービスだといいます。

世界が抱える「エンディング」に関わる課題を解決していく

ー今後の事業展開について教えてください。

―芦沢
事業としては右肩上がりが続いています。高齢化によるニーズの増大がその大きな理由でしょう。
今後は、葬儀の場面だけでなく、遺族のケアなども含めエンディングに関わる問題をワンストップで解決できるようにしていきたいと思っています。

現状は、誰もが必要なサービスであるのに、まだまだ認知度が低いことが課題でもあるそう。
今後はプロモーションを強化して、「地方のおじいちゃんおばあちゃん」にまで認知を広げたいとのこと。

―芦沢
もともと私は途上国の人たちを助けたい気持ちがあり、NPOを立ち上げたのですが、ボランティアだけでは活動を積極的におこなうことは難しいということに気付き、社会問題の解決と事業性を両立させることを目指して情報サイト運営事業を立ち上げました。結果的に、今では高齢化による孤独という社会課題にダイレクトに立ち向かえる事業に意義を感じていたりします。
エンディングに関わる課題は日本だけでなく、世界が抱える課題です。将来的にはそこの課題解決に貢献していけたらいいですね。

今後、葬儀というフィールドを通してさらに新しい事業にチャレンジしていくよりそう。今後の展開も楽しみですね。

芦沢さん、お忙しい中ありがとうございました。

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